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IBDとは

簡単にいってしまえば「腸炎」なのですが、この「腸炎」の中でも大腸及び小腸に慢性の炎症や潰瘍をひきおこす発生原因がはっきりしてない疾患がいくつかあります。
なかでも特に頻度の高い「潰瘍性大腸炎 (Ulcerative Colitis)」と「クローン病(Crohn's Disease)」を区別して「炎症性腸疾患」または「IBD(Inflammatory Bowel Disease)」と呼ぶのです。
過去、潰瘍性大腸炎やクローン病は稀少疾患といわれ、日本人にとっては非常に珍しい病気でしたが、ここ数年急増しています。
これまでIBD発症の原因として、「感染説」「酵素説」「アレルギー過敏症説」「自己免疫異常説」「心身症説(精神神経説)」「遺伝説」など、さまざまな学説が唱えられてきましたが、現在もっとも信じられているのは 「免疫異常説」 のようです。

患者と家族が当面する問題について

IBD(クローン病・潰瘍性大腸炎)は、希望あふれる若い成人期に発症することが多い病気です。
学校生活、就職、結婚、出産(子育て)など、人生の転機となりうる時期に相当して発症し、以後数十年にわたり家庭および社会生活において病気の再燃と緩解を繰り返す、将来への見通しが立ちにくい慢性疾患なのです。

家庭および社会で患者が当面する問題について

先に述べたように、この病気はまだ十分に人生経験を積んでいない若い成人に多く発症しますので、内では家庭生活、外においては近隣との付き合い、学校、会社、その他の集団生活に影響をおよぼすことが予測されます。

予測される問題
家庭内では 親離れ、子離れ等の問題
学校では 学習、体育、学内活動、進級、進学などの問題
社会に出た後では 就職、転勤、転職、昇進などの問題
家庭生活の設計 結婚、妊娠、出産、育児、子育てなどの問題

また、就職難、学校や職場におけるイジメや厭がらせ、住宅ローンや生命保険への加入の拒否などの差別的な問題が生ずる可能性もあります。

病気の通称について

原因が不明で治りにくい病気を、医師の間では「難治性疾患」や「難病」などと呼んだりしていますが・・・
実はこの言葉、内科学用語集にも医学用語辞典にも載っていないのです。

このような学術用語として認められていない言葉を、医師は患者の前で安易に口にするべきではありません。また、一般的には「不治の病」などと呼ばれたりしますが、これも適切ではないと思います。
あえて言葉を探すなら「治療のむずかしい病気」、「治りにくい病気」でしょうか。

家族や周囲の方々へメッセージ

IBD(クローン病・潰瘍性大腸炎)ではその療養生活において患者自身が、医療陣と協力しながら、自分自身で療養する自己管理(self care)のしめる部分が大きいですが、患者本人がどんなに努力しても、一人では限界があります。
家族や周囲の方々の支えが必要であり、みなさんの力添えがあってこそ、療養と社会生活とを両立させることが可能となるのです。

まずは、IBD(クローン病・潰瘍性大腸炎)という病気を正しく認識していただき、患者本人が病気に負けることなく充実した社会生活を送ることができるよう温かく見守っていただけると幸いです。
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